CLINICAL EVIDENCE

臨床エビデンス

真に痛くないがん治療を、医療画像解析技術で実現する。

臨床試験と査読付き論文で精度を実証し、画像での位置確認と動体追跡の信頼性を支える。

臨床エビデンス

PILのマーカレス動体追跡は、QST病院(旧 放射線医学総合研究所)の臨床試験と臨床運用で実測されたデータに裏付けられています。主要な数値と、査読付き論文をまとめました。R&D責任者の方の社内検討にそのままお使いください。

0.5mm

内部同期(マーカレス追跡)の腫瘍位置精度(95%CI)
体表面同期なら 4.1mm

97.3%

照射時間のうち、位置誤差 1mm 未満で照射できた割合

200症例超

QST病院での臨床使用実績
(マーカレス動体追跡を含むIGRT)

<30ms

1フレームあたりの追跡計算時間
(肺:約29ms、肝:約23ms)

マーカレス追跡はどう動くか

治療計画 4DCT腫瘍と臓器の動きを把握学習/モデル化DRR・回帰モデルX線透視(2方向)最大 2048×2048・30fps腫瘍位置の推定マーカーなし・<30ms/フレームゲート判定計画領域内か?治療ビーム ON/OFFゲート遅延 <83ms4種のインターロック(速度・輝度・異常検知・2方向不整合)照射中は透視→推定→ゲート判定を毎フレーム繰り返し、腫瘍が計画領域にあるときだけビームを出します

図1 治療計画4DCTから腫瘍の見え方を学習し、照射中は2方向のX線透視から腫瘍位置を毎フレーム推定。計画した領域にあるときだけビームを出します。金属マーカーの刺入は不要です。

なぜ体表面同期では足りないのか:外部サロゲートと腫瘍位置の関係を調べた研究

ゲート領域(計画で指定)位相のずれ(0〜0.3秒、患者・日によって変動)腫瘍の位置(X線透視で直接観測)体表面の動き(外部センサー)呼気吸気

図2 体表面の動き(外部センサー)と腫瘍の位置は、同じ呼吸でも振幅・位相がずれ、その関係は患者ごと・日ごとに変わります。体表面でゲートを判定すると、腫瘍が計画領域の外にある時間に照射してしまう可能性があります(概念図)。

LUNG

腫瘍の動きと外部サロゲート(腹部の変位・呼吸量)の相関は患者により r = 0.39〜0.99 とばらつき、位相差は −0.65〜+0.50 秒。複数日で測定した5名のうち、関係が一定だったのは1名のみ。「サロゲートに頼った治療は geographic miss を招き得る」と結論。

Int J Radiat Oncol Biol Phys 2004;60(4):1298-1306. doi:10.1016/j.ijrobp.2004.07.681

LUNG / LIVER / ESOPHAGUS

26名を対象に、呼吸センサーの波形と3D腫瘍運動を比較。外部波形と腫瘍の動きの間に 0〜0.3 秒の位相差を観測し、外部センサーによる呼吸同期では追加のマージンが必要と指摘。

Int J Radiat Oncol Biol Phys 2004;60(3):951-958. doi:10.1016/j.ijrobp.2004.06.026

LIVER

肝腫瘍4名で体内マーカーと体表マーカーを同時計測。全体としては相関するものの、体表マーカーが同じ位置にあるときの腫瘍位置は 2〜9 mm ばらつき、腫瘍と体表の動きの比も 0.85〜7.1 と大きく変動。外部マーカーだけに依存しないマージン設定を推奨。

Int J Radiat Oncol Biol Phys 2005;61(5):1551-1558. doi:10.1016/j.ijrobp.2004.12.013

CARBON-ION / DIRECT COMPARISON

同一患者10名の治療データで、腫瘍を直接追うマーカレス追跡(内部同期)と、体表面同期を適用した場合のゲート精度を比較。内部同期 0.5 mm に対し、体表面同期では 4.1 mm(95%CI)。

Int J Radiat Oncol Biol Phys 2016;95(1):258-266. doi:10.1016/j.ijrobp.2016.01.014

査読付き論文01〜05 は QST(放射線医学総合研究所)と共同研究企業による、PILの技術の原点となる研究。06 は参考文献(国際ベンチマーク)

01 — CLINICAL TRIAL / CARBON-ION

Carbon-Ion Pencil Beam Scanning Treatment With Gated Markerless Tumor Tracking: An Analysis of Positional Accuracy

Int J Radiat Oncol Biol Phys 2016;95(1):258-266. doi:10.1016/j.ijrobp.2016.01.014

肺・肝腫瘍の患者10名を対象に、重粒子線スキャニング照射で、マーカレス腫瘍追跡と振幅ベースの呼吸同期を組み合わせた世界初の臨床試験。2方向のX線透視で腫瘍位置をリアルタイムに検出し、CTVがPTV内にあるときだけ照射。位置精度・透視線量・スループットを評価しました。

主な結果

  • 内部同期精度 0.5mm(95%CI)体表面同期を適用した場合は 4.1mm
  • TRE < 1mm:照射の 97.3%
  • 患者セットアップ誤差 1.1±1.2mm/0.6±0.4°
  • 透視線量 23.7±21.8 mGy/ビーム治療全体で 487.5 mGy 未満

02 — MACHINE LEARNING / LUNG

A machine learning-based real-time tumor tracking system for fluoroscopic gating of lung radiotherapy

Phys Med Biol 2020;65:085014. doi:10.1088/1361-6560/ab79c5

治療計画4DCTから生成したDRRで機械学習(extremely randomized trees)を学習し、透視画像上に腫瘍尤度マップを作って腫瘍位置を推定する手法。金属マーカーを使わず、肺がん患者8名の透視データ(15 fps)で追跡精度と計算時間を評価しました。

主な結果

  • 追跡精度 1.03±0.34mm(平均±SD)95パーセンタイル 1.76±0.71mm
  • 計算時間 28.66±1.89 ms/フレームリアルタイム追跡を達成

03 — REGRESSION MODEL / LIVER

Regression model-based real-time markerless tumor tracking with fluoroscopic images for hepatocellular carcinoma

Physica Medica 2020;70:196-205. doi:10.1016/j.ejmp.2020.02.001

透視画像で腫瘍が見えにくい肝細胞がんに対し、4DCTから横隔膜と腫瘍の位置関係を回帰モデルとして学習し、透視画像上の横隔膜から腫瘍位置を推定する手法。肝がん7症例・15透視シーケンスで、横隔膜検出誤差・モデル化誤差・追跡誤差・計算時間を評価しました。

主な結果

  • 腫瘍追跡誤差 1.30±0.54mm横隔膜検出誤差 0.57±0.62mm
  • 計算時間 23.2±1.3 ms/フレーム(追跡)学習 69.0±4.6 ms/フレーム

04 — COMMISSIONING / ROTATING GANTRY

Commissioning of a fluoroscopic-based real-time markerless tumor tracking system in a superconducting rotating gantry for carbon-ion pencil beam scanning treatment

Med Phys 2019;46(4):1561-1574. doi:10.1002/mp.13403

超伝導回転ガントリーに搭載したマーカレス腫瘍追跡システムの臨床使用前の最終QA。動体ファントムによる追跡精度(機械学習/マルチテンプレートマッチング)、4種類のインターロック、ゲート・照射系のレイテンシを評価しました。

主な結果

  • 追跡精度 <0.52mm(95%CI)全ガントリー角・全フレームレート(MTM)
  • ゲートON/OFF遅延 <82.7±7.6ms
  • ゲート制御系の遅延 <3.1±1.0ms
  • ビーム照射の遅延 <8.7±1.2ms
  • インターロック信号の遅延腫瘍速度 44.7ms(1.3フレーム)/画像輝度 34ms(1.0フレーム)/2方向の位置不整合 5.0ms以内
  • 異常検知インターロックで追跡誤差 2.27→0.25mm

05 — PATIENT-SPECIFIC DEEP LEARNING / LUNG

Real-time markerless tumour tracking with patient-specific deep learning using a personalised data generation strategy: proof of concept by phantom study

Br J Radiol 2020;93:20190420. doi:10.1259/bjr.20190420

大量の患者データを集めることなく、患者ごとの治療計画4DCTから多数のDRRを生成して畳み込みニューラルネットワークを個別学習する「患者別深層学習」の手法。学習用DRRと実際のX線画像の違いは、ランダムなコントラスト変換とノイズ付加で吸収します。デジタルファントムと樹脂ファントムで検証しました。

主な結果

  • 追跡精度(誤差1mm未満のフレーム割合):シミュレーション 100%
  • ファントム実験:直径3cm 100%、2cm 94.7%
  • 処理時間 32.5 ms/フレーム(30.8 fps)30fpsのリアルタイム追跡を達成

06 — REFERENCE / INTERNATIONAL BENCHMARK

The markerless lung target tracking AAPM Grand Challenge (MATCH) results

Med Phys 2022;49(2):1161-1180. doi:10.1002/mp.15418

米国医学物理学会(AAPM)が主催した、マーカレス肺腫瘍追跡の国際ベンチマーク。共通の胸部ファントムと患者由来の呼吸波形を用い、商用システム(CyberKnife、Radixact、Vero、C-RAD)と前臨床システムを同じ指標(3D追跡誤差が2mm以内の割合)で比較しました。当社CTOは共著者として本チャレンジに参画しています。

主な結果

  • 30機関が登録、15件の結果提出in silico 4件、実験 11件
  • 3D追跡誤差 2mm以内:in silico 50〜92%、実験 39〜96%
  • 複数の手法でサブミリ精度を確認マーカレス追跡の臨床普及に向けた共通評価法を確立

※ 数値は各論文に記載された値です。臨床使用実績(200症例超)はPIL調べ。論文の全文は各出版社サイトでご確認ください。追加の文献リストや臨床試験の詳細は、お問い合わせください。

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