DRR(Digitally Reconstructed Radiograph)画像とは、CT画像から仮想的に作成するX線透視画像のことで、放射線治療の計画や実施において非常に重要な役割を果たします。治療計画の初期段階で、DRR画像を用いて照射計画をシミュレーションすることで、治療計画の精度を向上させることができます。また、治療実施中にも、DRR画像を使用して患者の位置合わせを行い、照射精度を確保することができます。本製品のようなDRR画像作成機能を備えたアプリケーションは、放射線治療に携わる医療スタッフにとって、非常に便利で必要不可欠なものとなっています。
DRR画像の計算方法
DRR画像は、実際のX線撮影の幾何学配置をコンピュータ内に仮想的に再現して計算します。仮想X線管(線源)、被写体となるCT画像(3Dボリューム)、仮想検出器を図のように配置し、線源から検出器の各画素に向かって仮想的なX線(レイ)を飛ばします。各レイがCTボリュームを通過する間、レイ上のCT値(X線減弱係数に対応)をサンプリングしながら積算することで、実際のX線が体内で減弱していく過程を模擬します。この積算値を検出器面の画素値に変換することで、実際の透視画像に相当するDRR画像が得られます。この計算は検出器の全画素に対して行うため計算量は膨大になりますが、各レイの計算は互いに独立しているため並列処理に適しており、次に述べるGPUによる高速演算と非常に相性の良いアルゴリズムです。
高速演算
GPUを使用し、計算アルゴリズムにより超高速演算が可能です。投影方向の変更など、多数の繰り返し計算が必要な場合でも、CTデータを一度読み込んだ後は再読み込みが不要なため、より高速な処理が可能です。本製品は、パラメータファイルを計算エンジンに渡すことで、ユーザーのシステムに自由に組み込むことができます。医療スタッフの皆様のワークフローに組み込みやすい製品です。
GPUを用いることでCPUの60倍高速化!
CPU: Intel Xeon 2.60GHz x2 (32 threads)
GPU: NVIDIA GeForce GTX1080Ti
臨床ニーズに応える画質
放射線治療においては、正確な位置決めが求められます。そのためには、解剖学的構造の形状や位置を正確に把握することが必要です。本製品は、臨床スタッフのニーズを反映した画像処理を提供し、解剖学的構造の視認性を向上させます。従来の画質では、医療スタッフが必要とする解剖学的構造の視認性が低下することがあり、治療の精度に影響を及ぼすことがありました。本製品による画質改善により、体内構造をより明瞭に観察でき、より正確な治療を行うことが可能となります。



直感的なUI
治療計画の立案に欠かせないRT-PlanやRT-StructureSetの入力により、直感的かつ迅速に操作できるユーザーインターフェース(UI)を実現しました。医療スタッフの方々にも分かりやすく、スムーズな治療計画の立案をサポートします。また、本製品は豊富な機能を備えており、医療スタッフの幅広いニーズに対応できます。
Australas Phys Eng Sci Med 35, 221–229 (2012)